樹木希林さんが2018年9月15日に75歳で永眠されたことは、私にとってはとても衝撃的なニュースでした。
その後、多くのテレビ局で追悼番組が組まれ、樹木希林さんと一緒にお仕事をされた方が樹木さんを語る言葉に「あぁ、やっぱりそういう人だったのだなぁ」と深くうなずうものがありました。
憧れの人、樹木希林さん
樹木希林さんを知ったのは、私が10代だった頃の昔のTV番組でした。
当時は「悠木千帆」という芸名で活動されていましたが、テレビ番組の中のオークションで「売るものがないから売った」というのがその芸名。
面白い人だなぁ・・・とまだ若かった私は思うだけでした。
また樹木希林さんといえば、あのCM!とすぐに思い浮かぶのは富士フィルムの
「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに映ります」
これも40年近く続いたCMだそうですが、ちょっと面白いギャグを言っている人ぐらいにしか思いませんでした。
感性も発言も何もかも、ちょっと世間でいう常識からは逸脱している?
でも樹木希林という女優が演じる役は、老け役であろうとなんであろうと優しい魂が宿った美しい女性だと気づいたのは、私自身も歳をかさねていってから・・・。
お世辞にも美人とは程遠い存在の樹木希林さん。
でもその樹木希林が演じる、味わい深く心にしみいる人物が心にのこるようになりました。
若い頃には表に見えることしか理解できなかった。
歳をとるにつれて、ようやく内側で輝いている物が見えるようになってきたかもしれません。
樹木希林さん演じる女性は、美しさの中に媚びずに生きている人の姿が見えたものです。
樹木希林さんについて、私が何かを語るとか書くなんてできないぐらい、人生を達観していらっしゃったことは、みなさんがよくご存知だと思います。
樹木さんの生き方は、あまりにも潔く人生を貫いた一人の女性として、とても憧れを感じます。
でも、単純に憧れ・・・なんて言ってはいけないですよね。
もうどこか身体の芯でものすごーーーーく覚悟をくくって、自然体で生きた人。
私ごときが、樹木希林さんの人生に憧れる・・・なんて言うのは、実におこがましいものです(汗)。
気負いなく生きることを示してくれた、樹木希林さん
樹木希林さんは「気負いなく生きる」ことを示してくれた人だとも思います。
(出典:https://angeligue.exblog.jp/)
アンティークの着物をさり気なくササッと着こなしている姿を、時々TVやきもの雑誌でも見かけました。
「着物はこう着るべし」なんてものは全くなく、本当にサッと着こなすこのセンスは、樹木希林さんにしかできないだろうな。
そう思いながらも、実は私もやってみたい・・・ずっとそう思っていました。
でも、あんなに力みなく着物を着こなせるのも、身体の芯に覚悟を持って媚びずに生きていたからこそ。
うわっつらを真似たところで、所詮それはダサい真似に終わるのかもしれません。
頑として自分を貫く、媚びない生き方
樹木希林さんと夫・内田裕也さんの結婚生活も、世間一般の常識に照らし合わせれば、奇妙なモノなのかもしれません。
そんな世間の声なんぞどこ吹く風・・・。
最期まで樹木さんは頑として自分を貫かれましたね。
どうもそういう女性に惹かれてしまう、私。
真似したって樹木希林さんにはなれません(涙)。
でも少しでも凛として潔く、そして人に媚びずに生きる姿勢から学んだ物を心の片隅にとどめておきたいと思っています。